天白さんに質問(2023年4月)

なぜ立候補? 党派は? 報酬の使い道は? どうするの?ゼロカーボンなどなど

「選挙運動をまじめにやっているのか」立候補した理由から政策まで。全部で11の質問

Q1.
なんで今回の横須賀市議会議員選挙に立候補するの?

Q2.
なんで横須賀には自然環境を専門とする議員がいないの?

Q3.
これまでの市民活動、NGOでの取り組みは、自分が議員になるためだったの?

Q4.
市議会議員になってどんな活動をしたいの?

Q5.
所属党派はあるの?

Q6.
議員報酬の使い道は?

Q7.
議員になったら、これまでの市民活動はどうなるの?

Q8.
ポスターについて

Q9.
天白が立候補するのを知らなかったが、選挙運動をまじめにやっているのか?

Q10.
落選したらどうするの?

Q11.
ゼロカーボン、エネルギー施策についての考えは?


Q1.
なんで今回の横須賀市議会議員選挙に立候補するの?

横須賀市民アンケートによると、8割の人が、横須賀の魅力はその豊かな自然環境にあると回答しています。しかし、専門性を持って環境行政に切り込む現職の議員は、残念ながらいません。

ここ数年の行政改革で、環境施策を横断的に担ってきた「環境政策部」は廃止になりました。その下にあった公園や環境の部署は散り散りになり、多くは建設部に吸収されてしまいました。
自然環境保全を推進するべき部署が、土木開発を担う建設部の下につく組織改正に、現状の議会はOKを出しました。

現職の議員が自然環境への理解が足りないと言っているわけではありません。医療に精通した議員、福祉に精通した議員、子育てに精通した議員、土木に精通した議員、それぞれがそれぞれの視点で横須賀の発展に尽力することは非常に大切です。

環境のことを一時的に取り上げる現職議員はいるようですが、専門性をもって環境政策に取り組む現職議員はいません。例えば近年公園や公共施設のリニューアルがされていますが、バリアフリーや、幼児が安心して遊べるデザイン、スポーツへの効果的な活用ができる仕掛けなどはされていても、野鳥が観察しやすいデザインや昆虫採集ができる植栽など、環境保全的な改修がされていないことからも市にその視点が欠けていることがわかると思います。

いま横須賀に足りない分野を補います。私は環境系の立場として立候補することにしました。

Q2.
なんで横須賀には自然環境を専門とする議員がいないの?

本来政治家は、“あなただけ” に利益を与えるものではなく、地域全体の将来を考えて施策を進めるべきだと思います。しかし議会制民主主義において、有権者である市民が自分や自分に関係する団体の利益になる施策を進めてくれる議員に票を入れるのは、ごく普通の成り行きだと思います。例えば福祉関係者は、福祉施策を専門とする議員を応援するでしょうし、教育関係者は教育行政に精通した議員を応援するでしょう。いずれも有権者に直接メリットがあります。

では、なぜ自然環境を専門とする議員がいないかというと、利益を得る側が森であったり野生動物であったりするからです。

自然環境を重視した施策をしようとすると、人間はわがまま勝手に開発するのではなくて自然環境に対して一歩引く姿勢が必要です。そのスタンスで政治家が一生懸命活動しても、タヌキが一票入れてくれるわけではありませんし、山が選挙応援してくれるわけではありません。ですから、民主主義と自然保護は、実は相性が悪い組み合わせなのです。

そのため環境政策を前面に選挙に出ても、当選するのは厳しいでしょう。それでも、そういう人に投票したいという人への選択肢が全く無いというのは問題だと思います。

Q3.
これまでの市民活動、NGOでの取り組みは、自分が議員になるためだったの?

政治家の中には、大学で地方自治や政治学を専攻したり、○○政経塾などに所属していたり、政治家になることを目的に勉強してきた人が多くいます。
一方で私は、政治に関して勉強したことは残念ながらほとんどありません。中学での公民の授業くらいです。選挙で有権者を囲い込むやり方も知りませんし、自分が当選するためだけに何ヶ月も労力を費やすくらいなら少しでも環境教育や里山保全を進めたいと思います。

日本の自然保護運動の形態は、時代や状況に応じて様々に変化してきました。その担い手は、あるときは学校の先生として、あるときは博物館のスタッフとして、あるときはサラリーマンの余暇活動として、世の中が少しでも自然環境に配慮してくれるようにあの手この手で訴え続けてきました。

正直なところ、私はいわゆる政治家のような前面に立って熱弁するタイプではなく、出来ることなら田舎で小さく暮らすような生活をしていきたい人間です。もし自然環境政策を推し進めてくれる議員が他にいるなら、全面的に託したいと思っています。
しかし現状でそれを望めそうにありません。そうして、たまたま自然環境について専門的に探求してきた自分にそれを担う責任があるのではないかと思い至りました。

横須賀の自然環境を守るための手段として、私はこれまでNGO職員として、農業者として、学識経験者として、様々な顔を使い分けてきました。そして今一番欠落している、議員という立場からも、それを実現していくことが出来たらと思っています。

横須賀の茅場

Q4.
市議会議員になってどんな活動をしたいの?

政策一覧をご参照ください。


横須賀はかつて、日本で最初に高校の生物部がうまれた町であり、日本で唯一の分園が2園もある博物館があり、現在日本の環境保全活動の第一線で活躍する多くの人材を輩出してきました。しかしいまでは、横須賀に博物館が今もあることすら知らない市民が多いと思います。

現在私は、市内のNGO活動の一環で里山の伝統的景観を復原したりサンショウウオなどの絶滅危惧種を保護したり外来種を駆除したりして活動しています。しかしこれらは、どんなにやっても特定の誰かが得する活動ではなく、自分で申し上げるのも気が引けますが、極めて公益性の高い取り組みをやってきたと思います。そのような取り組みは本来公共サービスとして行政が提供するものではないかと思います。

したがって、当選したらより一層、地域の環境保全に貢献し、子ども達が放課後カブトムシを捕りに行けたり、休日は古民家でのんびり過ごせたり、空気も水も食べ物も美味しくしてくれる森を復活させたり、自然環境の側面からふるさと横須賀を良くしていきたいと思います。

小学校を卒業するまでに最低1年間は地域の環境保全活動に関われるような仕組みづくりができたら、きっと横須賀市民もさらに地球市民としての自覚が増して環境意識が高まると思います。

横須賀の田んぼ

Q5.
所属党派はあるの?

個人的には全く政治色がないので政党や政治団体には何も所属していません。後援会もありません。名ばかりの「無所属」で実は組織票がある他の候補者とは違い、本当に裸一貫で何のフォローもなく立候補しています。

今回出馬するにあたって、関係団体や知人に挨拶回りすらしていません。おそらく私を知る人はそれなりの人数がいると思いますが、選挙ポスターを見なければ私が立候補していることも知らずに選挙が終わってしまう人もいるでしょう。

選挙運動は4月16日から22日まで全力投球をしますが、他の候補者がやっているようにフライング的に政治活動をするつもりは全くありませんでしたし、そんな時間があれば少しでも環境保全活動を前に進めています。

よく考えてみてください。政党での活動や、地域の挨拶回りや、電話をかけまくっている人は、かなりの時間をそれに使っています。その候補者が進めようとしている政策のための時間を犠牲にしているわけです。

選挙運動は、高給サラリーマンになるための就職活動とは違います。純粋に有権者が政策を見比べて選ぶ、ただそれだけのプロセスであるべきだと思っています。

横須賀で自然環境の分野をケアできる議員が一人いた方が良いと思う方は、ぜひ投票をしてください。横須賀はコンクリートジャングルで構わないという方は、ぜひ他の候補者へ投票をしてください。選挙に行きましょう!

Q6.
議員報酬の使い道は?

横須賀市議会議員の年収は約1100万円あるそうです。私はとても高いと思います。
一方、横須賀市の環境学習に関する予算は年間200万円、里山保全に関する予算は年間100万円程度です。

みなさんはどう思いますか?

議員一人の報酬と比較すると冗談のように少ない額です。それを承認しているのは現在の議会です。
もし私が議員になったとしても議会は多数決なので、議員一人の力では環境行政への大きな予算増を実現させることは困難でしょう。

そこで、私は私の最低限の衣食住に必要な経費を除き、自分の議員報酬は横須賀の環境保全のために全額投入しようと思っています。議員一人分の人件費を市から切り取って、これまでやりたくてもできなかった環境政策に充当する考えです。

行政の予算を環境施策に大胆に回せないのであれば、議員報酬をそこに補填することに何の躊躇もありません。しかも幸いなことに、受益者は野生動物であり植物です。議員は人や団体への寄付は法律で禁止されていますし、しょっちゅう贈収賄で捕まっていることなどは見苦しいところです。しかし、野生動物に施しをしても、今の法律で取り締まることはできず、堂々と施しができるのです。

里山の作業

Q7.
議員になったら、これまでの市民活動はどうなるの?

もちろん今まで通り尽力したいと思っています。

横須賀市議会への登庁日は、年間延べ2ヶ月程度、つまり年間10ヶ月程度は環境保全に取り組むことが出来るのです。もしかすると、議会に登庁する日も、その前後でフィールドワークが出来るかも知れません。議員控え室に引きこもって施策の勉強会とか、視察という名の旅行にばかり行って仕事をしているふりをするつもりは全くありません。

政治に不信感を持っている一人の市民として、政治屋の土俵に立つわけにはいきませんし、自分が議員になったせいで市民活動が停滞するようなことはあってはいけませんので、続けます。何より、里山を再生したり、野生生物の手助けをすることは、とてもエキサイティングでやりがいがある仕事だと思っています。

いままで通りの環境保全活動ができ、さらに行政施策のチェックや推進ができるのは、非常に良い仕事だと思います。

田植えの体験学習

Q8.
ポスターについて

おそらく私を知る多くの人は、選挙ポスターをご覧になって「これ同姓同名の別人なんじゃないの?」と思うくらい綺麗に仕上げていただいています。

正直もっと普段通りナチュラルなのを考えていましたが、ヘアメイクとライトの調整でこうも美化されるものかと、カメラマンの技量にただただ驚かされました。あまり落ち着かないので、一部の掲示板にはレアポスターとして普段の私が写っているポスターを貼っていますので、見つけた方はラッキーです。

今回のポスターのテーマは「自然環境派の議員が一人いたって良いじゃない!」としています。ただこれまでも書いているとおり、「政治屋になりたいので就職させてください!!!」という他の立候補者のような考えは持ち合わせていません。

ポスターに込めた本意としては、「自然環境派の議員が一人いた方が良いと思いますか? いなくていいのですか?」という気持ちです。

横須賀の行政サービスにそこまで不満は無いけれど確かに環境派の議員がゼロなのは心配だよね、というかたは、私の思いをくみ取ってくだされば幸いです。

Q9.
天白が立候補するのを知らなかったが、選挙運動をまじめにやっているのか?

選挙運動ができる期間は本当は4月16日公示後の一週間だけです。他の候補者が半年も前からビラ配りや朝立ちをしているのは、政治活動の名目で行っている事前運動で、言い回しを工夫すれば違法ではないようですが、公平な選挙の趣旨からすると反しているのではないかと思います。

ただ、現職議員に聞くとみな「半年前から3000票を固めておかないと当選しっこない。選挙期間なんかセレモニーのようなものだよ。」と言います。もし、そうしないと当選しないのであれば、私のようにフライングしないで選挙に臨んでいる者は絶対当選しないでしょう。

しかし、フライングしている多くの候補者、特に政策実現できる立場にある現職議員は、本来は自身の政策を実現するための時間と労力を犠牲にして選挙の事前運動をしてしまっているのだという自覚をするべきだと思います。
あなたのその高い議員報酬は、次の選挙に自分が通るための運動費用ではなく、横須賀をよくするための実費として支払われているものだと思います。

もちろん選挙期間中は私は毎日街頭に出ますので、お気軽にお声かけください。詳しい日程はSNSでお知らせします。

Q10.
落選したらどうするの?

先に述べたように、公示前に票集めが出来ないと当選しないのであれば私はむしろ落選確実といったところでしょう。投票日までに「やっぱり環境を扱う議員が一人もいないのはまずい!」と思ってくださる有権者が増えることを信じるばかりです。

願いが届かず落選した際には、ある程度落胆はするでしょうがこれまでしてきた環境保全活動はなんら変わりなく続ける予定です。

私の場合、政治家になるための下積みとして公益活動をしてきたわけではありませんので、落選によってトーンダウンすることはありません。あくまで議員を選ぶのは有権者であって、候補者の就職活動の努力によるものでは無いと思っています。

むしろ、当選した他の議員達に、環境問題を真剣に取り扱わないとまずいぞ、というメッセージが少しでも届けば立候補した効果があったかなと思います。

里山作業

Q11.
ゼロカーボン、エネルギー施策についての考えは?

環境問題というと、自然環境だけでなく脱炭素やエネルギー施策についても申し上げるべきことがあります。

横須賀市では、これまで各家庭や民間企業への要請をして、なんと年間200万トンの二酸化炭素を排出削減してきました。そして現市長が「ゼロカーボンシティ宣言」をしました。横須賀市が総力をあげて、将来的に二酸化炭素排出量実質ゼロにするということです。

市内には二酸化炭素の吸収源となるたくさんの樹林と、新たな吸収源になり得るブルーカーボン(海藻の群落)が存在します。
日産自動車追浜工場が最先端のエコカーの開発に邁進し、家庭でも新築戸建てを中心に太陽光発電の導入が進んでいます。

横須賀には谷が多いので、そこを流れる水を単に一刻も早く海に流してしまうのではなく、私は小型の水力発電機を設置することも進められると良いと思います。

しかし、こうした取り組みに水を差す事業が着々と進められています。石炭火力発電所の建設工事です。全世界的に石炭の利用を自粛しようとする潮流の中で、横須賀では年間700万トンの二酸化炭素を排出する発電所が今まさに作られようとしています。

省エネ施策や温暖化防止施策と真っ向から反する事業ですが、一方で電気の安定供給や電気料金高騰の問題もあり、一概にNOと言うことは出来ません。そうであるなら、市民に内緒で石炭火力発電所の建設を進めるのではなく、住民投票をして「電気が値上がりしたり、停電したりするかも知れないが将来の地球のために石炭火力をやめる」のか「今何不自由なく電気を使うために石炭火力を認める」のか「電気も安定し二酸化炭素も増やさない原発を進める」のか、いくつかのビジョンを市民に提示して問うべきだと思います。

麦畑