初めての選挙を終えて

2023年4月23日の選挙で、天白まきおは2214票をいただいて当選させていただきました。

 私の選挙戦は、振り返ってみても非常に異色であったと思っています。

 まず他の候補者がやられている、公示前(4月16日より前)に「本人」と書いたタスキをして駅に立ったり、地元の有力者・商店・企業等に挨拶回りをしたり、後援会を作って票の囲い込みをしたりといった活動を1秒もしていません。ですので、ほとんどの市民の方は選挙のポスター掲示板を見て初めて知ることになります。

 「出ているなんて知らなかったわよ、もっと事前に準備しないと!」とご助言をいただくことも多々ありました。しかし、実は公職選挙法で、公示前(2023年4月16日より前)に選挙の応援を呼びかけることは禁止されています。なので他の候補者の方は、選挙の呼びかけである証拠を押さえられないように「本人」のタスキにしたり、「投票をお願いします」の文言を使わなかったりと、様々工夫されているわけです。しかし、そもそもなぜそのような法律の規制があるかといえば、立候補者の公約内容ではなく財力やマンパワーで選挙の票が左右されるのは民主主義において適切ではないとされているからです。ですので、自分は仮に財力やマンパワーがあったとしても(…全然無いですが)、選挙の事前運動をするつもりはありません。多くの候補者がいわばフライングで選挙戦を戦っている中では、非常に不利な立場だとは思いますが、正直なところ、

フライングしなければいただけないような票よりも、ずっと重い票を私はいただくことができたと自負しています。

そのことは、実は他の議員や市の職員からもおっしゃっていただけました。「天白君は、一番本来あるべき姿で選挙をしているね」と。

 その立候補に至るまでは、相当な葛藤がありました。選挙管理委員会の事前説明会に出たときも、まだ決断はできていませんでした。現職議員からは、「少しでも落ちる可能性があるなら、絶対出ない方がいい」「落選したら人以下の扱いを受ける」と、忠告をいただきました。正直、政治家という職には(どぶ板活動のイメージが強かったので)何の魅力も感じていませんでしたが、2023年4月に市役所から環境政策部も完全に無くなり、いよいよこれからの4年間で環境政策消滅市政が完成するということが想像に難くなくなったとき、

市政を変えるか、氷河期を甘んじて受け入れるかを選ばなくてはなりませんでした。

とりあえずポスターや選挙公報だけは準備しておいて、立候補するかどうかは直前ぎりぎりまで見極めて2週間くらい前に判断しました。そして親しい数人の人にだけ告示前にお話しし、ポスター貼り等のお手伝いを引き受けていただいたのでした。

 4月16日に告示日を迎えた後は、あっという間でした。最初は、街頭にどう立って良いかもわからず、右往左往しました。ビラも受け取ってもらえないし、まず人が立ち止まらない中でどう訴求するか、全然感覚がつかめませんでした。最終的には行き交う人に話しかけるのはあきらめて、

渡ってきたばかりのツバメにマイクで話しかけたりしていました。

そして、ボランティアの皆さんは歌ったり踊ったり稲藁を持ってきたり、選挙を本当に楽しそうにやってくれ、それが自然と心の励みになっていました。こんな愉快な陣営、間違いなく他に無かったと思います。他の候補者の方々が、とてもうらやましがられていたのを記憶しています。そしてたまに出会う、かつて私の授業を受けたという子どもたちに、一番元気をもらいました。右も左もわからず、選挙はこうしなきゃだめよという人も周りにいない中で、本当にすべてが創造的で苦になることは一切しない、横須賀の自然環境行政をちゃんとしようよということだけを発信したすばらしい一週間だったと思います。

 開票日は選挙カーの設備を剥がしたり片付けをしてのんびり過ごしていました。夜、おもむろに集まった友人とともにインターネットで結果を見て、予想を上回る得票に非常に身の引き締まる思いがしたとともに、告示後にわずかな選挙運動しかしていなかったにもかかわらずいただいた票に横須賀市民の自然環境に対する強い意志を感じました。おそらく、いつもなんとなくお願いされて投票に向かう人は、私には絶対に入れていないでしょう。横須賀の自然環境のために、本当になんとかしなくてはいけないんだと思っている人の数を垣間見た気がします。

 いただいた議席は、もちろん最大限自然環境のために活用します。

選挙の時だけ当たり障りのない印象のいい夢物語を並べるようなことはしませんし、だれか個人のために骨を折ることもしません。役所の中に入ってみて、なぜ環境政策に疎いのかもわかると思います。環境行政が看板倒れにならないよう、この知見を活かすつもりです。

議員報酬も、公約通り自然環境のために拠出し、その結果をご報告したいと思います。

まずはこの四年間で役割を成し遂げるつもりです。